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【レースな世界紀行2004】その12の1 [レースな世界紀行 2004]

またしてもほぼ1ヵ月ぶりのアップです。今回は初開催の中国GPを取り上げます。現在は春の開催ですが、この頃は秋に開催していたのですね(って、そんなことすら忘れている)。

その12の1
F1第16戦中国GP
中国・上海

「遠くて近い国」とはよく言ったものである。成田を飛び立った飛行機は、わずか2時間40分で上海に着いた。飛んでいる時間だけなら、新幹線で東京から大阪まで行くのと変わらない。

上海に降り立ったとはいっても、東シナ海に面する浦東国際空港は、東京の中心地に対する成田空港の位置関係のようなもので、要するに、中心地から遠い。しかも、泊まることになっているホテルは、東京で言えば銀座や新宿のような繁華街ではなくて、和光や三鷹のような郊外に当たっているから、なおさら遠い。鉄道で行けないこともないが、荷物は多いし、4名がともに行動していたこともあって、空港ではワゴンタクシーを拾った。

20年は使い込んだうえに崖の上から3回くらい転げ落ちたような風情(?)を醸し出すワンボックスカーが、どうやらワゴンタクシーらしかった。運転手は白いシャツにグレーのズボンといった普段着姿であるが、車内にはメーターらしきものがついていたので、白タクではかったと思う。

片側4車線の広い高速道路はずっと真っ直ぐである。高架になった軌道が道路と平行して進んでいる。首都高1号線を思わせる風景だが、この線路を走るのはモノレールではなくて時速430キロで走るリニアモーターカーだ。40年の技術の進歩がここにある。タクシーに揺られていると、突如、グワァンと轟音が近づいては瞬時に遠ざかっていった。轟音を敏感に察知して首を巡らせないと、リニアモーターカーの姿を拝むことはできない。ホント、あっという間に通り過ぎてしまう。視線を高架軌道から高速道路に戻せば、低速車線を黒煙をモクモクと吐き出す大型トラックが目に入る。最先端と時代遅れのコントラストがあった。

連れの3人はすべてスモーカーであった。うちひとりが道中我慢しきれずにたばこを取り出し、運転手に「灰皿は?」と聞いた。もちろん、中国語は話せないので、身振り手振りである。運転手は意図を解したと見えて、後ろを振り返り、車内の左右を指さしてなんだかんだとわめいている。言われたスモーカーはドアの内側に灰皿がついているものと理解して指さされたあたりを見回すが、それらしきものは見あたらない。さらに身振り手振りを加えて「灰皿だ。灰皿だ」と訴えたところが、運転手は車内の左右をしきりに指さす。

そんなことを繰り返してようやく合点がいったのだが、運転手は“車内の左右”を指さしていたのではなく、“車外の左右”を指さしていたのだった。要するに、「灰でもたばこでも外に捨てろ」ということだったらしい。

IMG_3424.jpg

タクシーが上海の中心地に近づくにつれ、道路が混雑してきた。混雑するにつれ、この国の交通マナーというものがわかってきた。この国の人たちは、譲り合いの精神というものを持ち合わせていないらしい。だから、道路が合流するような地点では大変なことになる。本線を走っているドライバーは、合流しようとするクルマを自分のクルマの前に入れようとしないし、合流するドライバーは何が何でも鼻先を突っ込もうとする。

だから、クラクションの嵐である。救急車がサイレンを鳴らして迫ってこようがおかまいなしである。パトカーとて同じだ。「譲ってたまるか」という気迫が道路上に満ちあふれている。

高速道路でさえこんな状態だから、一般道に降りるともっとひどい。歩行者もいれば自転車に乗る人もいるし、バイクもいる。もう、ひっちゃかめっちゃかである。中国は右側通行だから、対向車線をまたいで曲がるのは左折になる。幅の広い道路では左折レーンがあって、我々の感覚では対向車が来なかったり、あるいは左折信号が出たときなどに発進して目的の方向に進むものだが、中国ではそうではない。鼻先を対向車線にはみ出させて、直進車の行く手をふさぐのである。助手席に乗っているときなど、生きた心地がしない。そうしてクルマの向きを90度変えた際、横断歩道を対向車や自転車が横切っていたとしても、躊躇することなく突っ込んでいく。歩行者よりもクルマの方が立場は上なのである。日本だったら「危ねーな、このヤロー」などと怒号が飛ぶような状況でも、歩行者や自転車は平然とクルマをやりすごしている。

IMG_3425.jpg

クルマ対クルマでも同じである。クラクションが鳴り響くような緊張感漂う状況に陥っても、一旦状況が落ち着くと、何事もなかったように交通の流れは平静を取り戻す。日本だと、割り込んだクルマを後ろのクルマが煽ったりするが、中国ではそんなことはない。そんなところが、健全と言えば健全である。

60kmほどの道のりを2時間かけてホテルに到着。さっきも書いたように、上海の中心地から離れた和光やら三鷹やらに属するような郊外のホテルである。三つ星ホテルだが、門構えはちょっとやつれたホテル・オークラのように立派である。客室も国際標準レベルにある。つまり、日本のビジネスホテルのように気分が滅入るほどには狭くないということで、なかなかに快適だ。デスクにLAN回線が引いてあるのには感心した。

これで1泊770元(1元14円として1万780円)なら、不満もあろうはずはないが、グランプリ期間などのハイシーズンを外せば、560元(7840円)で泊まれると聞けば、「仕事抜きで来ちゃおうかな」と思いたくもなる。なにしろ、2時間40分なのだから。(つづく)

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