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EA211 TSI evo発表:VWもライトサイジングに移行 [クルマ]

フォルクスワーゲン(VW)の主力ガソリンエンジンは、ゴルフなどが搭載する1.4L・直4直噴ターボのEA211ですが、その進化版が発表されました。EA211 TSI evoです。

排気量は1.5Lに引き上げられています。アウディは行きすぎたダウンサイジングを是正する「ライトサイジング」を提唱し、EA888 Gen.3の排気量を200cc増やした2.0L・直4直噴ターボのEA888 Gen.3bを開発し、A4に載せています。VWのEA211 TSI evoは、その流れに追随する格好。

ライトサイジングは、ダウンサイジングの弱点だった高負荷域の燃費を改善するのが狙いで、そのためにミラーサイクル(圧縮行程<膨張行程)を適用しているのが特徴(evoは吸気バルブ早閉じ)。EA211 TSI evoがオリジナル版に対して100cc増量したのもそのためで、ボア×ストロークはオリジナル版の74.5×80.0mmに対し、74.5×85.9mm(SB比1.15)になり、容積比は10.5から12.5に変わっています。

EA211 TSI evo / 1.5L
EA211_evo1.jpg

こちらはオリジナル版↓

EA211 / 1.4L
EA211_1.jpg

水冷インタークーラーを採用している点に変わりはありませんが、オリジナル版はインテークマニフォールドに組み込まれていたのに対し、evoはもっと上流に位置しています。サイズを大きくしてパフォーマンスを高めるため、のレイアウト変更だそう。

それよりも注目は、「大量生産火花点火エンジンとしては初めて」VTG(可変容量)ターボチャージャーを採用したこと。ガソリンエンジンではポルシェが911ターボで採用し、最近では718ボクスター/ケイマンが積む2.5L・水平対向4気筒直噴エンジンにも採用されました。VWの言い分によるとポルシェの場合は「大量生産ではない」ということになるのでしょうが、それはともかく、高価ゆえに普及価格帯のモデルには向かないとされてきたVTGを採用したのは画期的です。こなれた価格が実現できたのでしょうか。

VTGターボはハネウェル製のよう。

EA211_evo2.jpg

排ガス流量に応じて流路の狭〜広を調節するVTGの効果で、1300rpmの低い回転数から最大トルク発生させます。レスポンスの向上も期待。

EA211_evo4.jpg

他にも見どころはあって、直噴インジェクターの噴射圧は最大350bar。200〜250barが主流ですので、また随分高くなったものです。プラズマ溶射のシリンダーボア(ライナーレスの鉄溶射)も新たに採用。ポルシェの新しい4気筒/6気筒もそうですし、インフィニティ(日産)の新しい3.0L・V6(VR30DDTT)も採用しています。溶射ボア、どんどん増えていきそうですね。

EA211_evo3.jpg

EA211 TSI evoは96kW版と110kW版が用意され、2016年終盤に市場デビューを果たす予定だそう。楽しみです。

http://www.facebook.com/serakota

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たくや

いつも楽しく読ませていただいております。
ミラー化に伴う排気エネルギー減少によるレスポンスの悪化を排気量増+VGで補う発想なのでしょうか。
燃焼室をコンパクトにできるダウンサイジングとミラー化、ぜひ両立して欲しいです。
by たくや (2016-05-06 10:19) 

世良耕太

早閉じにしろ遅閉じにしろ、ミラーサイクルを適用することによって実質的な排気量が減ってしまうので、それを補うための排気量増と捉えるのが一般的なようです。VTGは排ガス流量の少ない領域からターボを十分に機能させるためで、最大トルクの発生回転数を低回転側にシフトさせるのが主目的のよう。ご指摘のように、レスポンス向上も狙っての採用でしょう。VWがミラーサイクルを採用した影響は大きい、と思います。
by 世良耕太 (2016-05-06 15:14) 

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